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エコチル調査とは

なぜ調査するの?

子ども達の心身異常が増加しています

科学技術の進歩は、便利で快適な私たちの生活を支えていますが、同時に私たちを取り巻く生活環境も大きく変えてきました。特に、日常生活や産業活動で使用される様々な化学物質が人体に与える影響などもまだはっきりとは解明されていません。

その一方で、アトピー性皮膚炎や小児肥満、自閉症、ADHD(注意欠陥多動性障害)など様々な疾患を持つ子ども達が年々増加しており、環境の変化が子どもの成長発達に影響を及ぼしているのではないかと懸念されています。

子どもたちの健康に影響をもたらす環境要因を明らかにして、子ども達や次世代の人が健やかに暮らせる環境の実現を目指すため、 環境省が企画し、国立環境研究所が中心となって国立成育医療研究センターや全国15地域の大学等が連携して、 調査を実施することになりました。

「わが国における児童等のぜん息被患率の推移」
「わが国における先天異常発生頻度の推移」

環境要因(化学物質の摂取、生活環境等)による影響が疑われる疾患

免疫系の異常 ぜんそく・アトピー性皮膚炎 など
先天異常 染色体異常 など
精神神経
発達障害
自閉症・LD(学習障害)・AD
HD(注意欠陥多動性障害)など
身体発育 出生時体重低下 など
代謝内分泌系の異常 小児肥満 など
生殖異常 児出生率の低下 など

何を調べるの?

全国10万人の母子を
13年間追跡調査

子どもたちの成長や健康に、環境がどのように関係しているかを調べるには、大規模かつ長期的な調査が必要です。

エコチル調査では、全国の15地区で10万人の妊婦さんに協力してもらい、赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときから13歳になるまで採血やアンケートを行って、定期的に健康状態を調査して、環境中の物質、生活習慣などと子どもの成長や病気との関係を調べます。

環境中の物質とは、残留性有機汚染物質(ダイオキシン類、PCB、有機フッ素化合物、難燃剤等)、重金属(水銀、鉛、ヒ素、カドミウム等)、内分泌攪乱物質(ビスフェノールA等)、農薬、VOC(ベンゼン等)など。生活習慣とは、食事や運動などです。

エコチル調査・研究は2011年から2032年までを予定しています。最初の3年で妊婦さんを登録して、その後は13年間追跡します。その後の5年間でデータの解析を行います。

出生コーホート(追跡)調査の実施

どんな役に立つの?

これからの
健やかな環境づくりに役立てます

エコチル調査では、「先天奇形」「精神神経発達」「免疫・アレルギー」「代謝・内分泌」などの多分野にわたり、医学的な調査を行います。

この調査で得られたデータを元に、子どもの脆弱性を考慮した化学物質規制の審査基準や水質・土壌等の環境基準へ反映し、適切なリスク管理体制を構築して次世代を担う子ども達のために役立てます。
また、子どもの発育を阻害する環境要因を解明することで、これまで詳しくわからなかった病気の新たな診断方法や、予防法の開発に繋がっていくことでしょう。

このような疫学調査によって、環境保健分野の次世代を担う若い研究者などの人材育成にも役立ちます。
エコチル調査は、未来の環境づくりに向けた、大切な調査です。

調査の成果

世界中の子ども達も
協力しています

世界各国でも、子ども達の健康増進を進めるための環境保健に関する様々な調査が進められています。
エコチル調査も、世界の国々と連携した長期的な研究に役立てられます。

子どもと環境に着目した主要な疫学調査例

調査に関するフォロー体制も万全です

検査結果やアンケート等はすべて匿名化して、コード番号をつけて誰のものかわからないようにして扱います。また、ご提供いただいた個人情報は法律に基づいて厳重に管理いたしますので、ご安心ください。貴重な調査結果は国内外の研究者が活用し、安心・安全な環境づくりに役立てていきます。
なお万が一、調査参加のために自宅から調査場所まで移動する間に事故にあった場合や、採血などで身体に障害をこうむった場合には、コアセンターが加入する保険で一定額が補償されます。

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